2008-09-09

HIS 2008を振り返って

ヒューマンインターフェースシンポジウム2008で発表してきた感想。

高齢者、特に認知症の人が情報系のシステムを利用するためにはどうしたらよいか、何かこちらの研究のヒントになる発表がないか探すのが聴講のポイントだったが、あまり収穫はなし。



私自身は”「一人暮らしあんしん電話」システムの改良と実証実験”という内容で発表。

工学院大学社会システムデザインプロジェクトがセコム科学技術振興財団から助成を受けてやっている研究内容のメインのひとつだ。

実際に医師と協力し、電話を使ったこのシステムを開発し、独居高齢者+高齢者世帯で81人を対象に実験を行って1年経った結果とそれから分かった効果などを紹介した・・・つもりだ。


発表で一番伝えたかったのは
「このシステムによって高齢者の病状悪化を未然に防ぐことが出来る、真の見守りシステムを構築できた」
ということ。


前回は福祉工学という分かりやすいセッションで発表させてもらえたこともあり、反響は大きかったのだが今回は残念ながら聴講者の絶対数も少なく、2,3の質問があっただけの普通の発表となってしまった。

質問内容もあまり収穫は無く、運用体型などを少し聞かれた程度だった。

自分ではカメラなんかを使った”監視”システムなんかに比べたら、医療機関から手軽に、しかもちゃんとした効果もでた実に画期的なシステムだと思って発表したのだが、少し会場と温度差を感じてしまった。

正直、発表の仕方がまずかったのもあると思う。
伝えたいこともしっかりまとめた構成になっていたが、事前の練習が足りなかったか。

一番問題なのは、ヒューマンインターフェース学会に対して、少々ヒューマンインターフェースを無視した内容過ぎたのかもしれない。

他の発表を聞いていて思ったのは、使いやすさとか、人間がどうやって考えて操作しているのかなどを中心に話しているということ。

そんな中で、前述のようなシステムの良いところ、言いたかったところというのは会場の人たちには興味の無いところだったのかもしれない。




この失敗を今後につなげるためにまとめておくと、

・今までやったこと、システムの特徴などをしっかり伝えたうえに、システムの新しい部分について説明するのは大変難しい。

・新しい内容盛りだくさんだとさらに大変。継続して発表する場合、言いたいことが言えるのはたった1つか2つのみ。

・発表練習は事前に十分に行うこと。台詞を覚えるのではなく、要点を箇条書きにしたものを覚える。あとはそれをつなぐように喋る訓練をする。

・学会に合わせた内容を発表しないといけない。その学会独特の質問が出るように発表内容を仕向ける。自分の言いたいことをただ言うだけでは伝わらない。むしろ聞いてくれない。

・実運用をするシステムの場合、運用体型も発表したほうが良いかも。


うん、失敗から得られるものはこんなにあった!
失敗から学ぶことはとても大きい。
失敗したということは、意外と喜ぶべきものなのかもしれない。


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